研究課題/領域番号 |
25410215
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
藤原 尚 近畿大学, 理工学部, 教授 (30190101)
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研究分担者 |
仲程 司 近畿大学, 理工学部, 講師 (10375371)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | プラズモン / 金属ナノ粒子 / 有機無機ハイブリッド |
研究概要 |
本研究ではポリチオフェンナノチューブの機能化の一端として、ポリチオフェンナノチューブ内部にプラズモン活性な銅ナノクラスターを分散・固定化することで、銅ナノクラスターの凝集および酸化を抑制し、更なるプラズモン活性触媒能の向上を目的とする。まず、長鎖アルキル基およびカルボキシル基を有するキラルな化合物であるビナフチル誘導体 (1) を合成した。次に、化合物(1)を保護基とするキラルな銅ナノ粒子 (2) を合成し、透過型電子顕微鏡 (TEM) により観察したところ、粒子径が3.94 ± 1.84 nmであることが確認できた。また、粉末X線回折 (XRD) 測定により、銅ナノ粒子 (2)は0価の銅であることが確認できた。続いて、化合物(1)の長鎖アルキル基を電解重合能を有するターチオフェンに変更したターチオフェン誘導体 (3) を合成した。ターチオフェン誘導体 (3)をモノマーとして、ポーラスアルミナテンプレート細孔内で電解重合することで、ポリチオフェンナノチューブを合成した後、走査型電子顕微鏡 (SEM) により生成物を観察したところ、チューブ形状のものが確認できた。そして、ターチオフェン誘導体 (3)を保護基とする銅ナノ粒子を合成し、それをモノマーに用いたハイブリッドナノチューブの合成も合わせて行った。支持電解質溶液としてBu4NClO4/CH2Cl2中でテンプレート電解重合 し、テンプレートを溶解することにより銅ナノ粒子ハイブリッドナノチューブを得た。得られたポリマーを走査型電子顕微鏡 (SEM) で観察すると、生成した銅ナノ粒子ハイブリッドナノチューブ同士が強くバンドルしている様子が確認できた。合成した銅ナノ粒子ハイブリッドナノチューブの銅ナノ粒子は酸化反応にたいして、安定であることが分かった。また、プラズモン活性についても明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
強いプラズモンを示すキラル銅ナノ粒子を合成することができた。これは、初めての研究例である。現在、論文投稿準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
キラル銅ナノ粒子を含むハイブリッドナノチューブを創製し、プラズモンの特性を生かしたプラズモニクス材料の開発を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
購入予定の試薬の生産が次年度になるため。 次年度には、試薬が生産されるため、購入し、使用する。
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