本研究課題では,申請者が発展させてきた「組み替えネットワーク理論」と分子動力学(MD)シミュレーション法をナノ粒子が分散した高分子系に適用し、流動誘起ゲル化,及びそれに伴う劇的なシア・シックニング現象の分子機構を解明した.特に,球状粒子と複数の会合基を有する会合性高分子の混合系の流動誘起ゲル化の再現に成功した.シミュレーション結果の解析により,ニュートン領域では高分子鎖のほとんどが孤立して存在しており,剪断流の大きくなるとともに分子内会合から分子間会合へのコンホメーション転移が起きてネットワーク形成が促進され,これにより粘性増大現象(シア・シックニング)が起こることが分かった.
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