研究課題/領域番号 |
25410232
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
堀 秀生 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 助教 (00342113)
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研究分担者 |
比企 能之 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (20156566)
北口 暢哉 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (70508077)
新里 昌功 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 准教授 (80148288)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 再生医療 / 不織布 / 腎臓 / 幹細胞 |
研究概要 |
不織布の医療用途への展開の一つとして、不織布材料と細胞の相互作用を活用し、不織布材料を用いた腎臓再生デバイスの創製を行っている。慢性腎不全モデルラットの腎臓被膜下へラット骨髄由来間葉系幹細胞を捕捉した生分解性ポリ乳酸不織布を埋め込んだところ、糸球体硬化性病変が抑制された。 1.糸球体硬化性病変抑制メカニズムの解析:ラット骨髄由来間葉系幹細胞捕捉ポリ乳酸不織布デバイスの成長因子産生能を検討したところ、肝細胞増殖因子の産生能が亢進した。 2.成長因子産生能を指標としたデバイス設計:ヒト末梢血細胞捕捉不織布デバイス、ヒト脂肪由来間葉系幹細胞捕捉不織布デバイスの成長因子産生能を評価した。1):ヒト末梢血細胞捕捉不織布デバイスは血漿と比較して、血小板由来増殖因子、血管内皮細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子の産生能が有意に亢進した。2)ヒト脂肪由来間葉系幹細胞捕捉不織布デバイス:ヒト脂肪由来間葉系幹細胞捕捉ポリ乳酸不織布デバイスは血漿と比較して血管内皮細胞増殖因子の産生能が亢進した。 3.動物実験による腎機能改善効果:慢性腎不全モデルラットの腎臓被膜下へ不織布デバイスを移植し、腎機能の改善効果を検討した。ポリエチレンテレフタレート不織布は単独移植において尿タンパク、血清クレアチニン、血清尿素窒素が未治療群と比較して低下傾向を示し、腎機能の改善効果が示唆された。しかしながら、現在のデバイスは侵襲度が高く、開腹手術が必要なため、より低侵襲な埋め込み法を確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.細胞捕捉不織布デバイスによる慢性腎不全モデルラットの糸球体硬化性病変の抑制はHGFなどの成長因子によることが示唆されたため、成長因子産生能を指標とした細胞捕捉不織布デバイスを構築できた。 2.細胞と不織布素材により成長因子産生能が異なることが確認された。 3.低侵襲な埋め込み法にて、デバイスを腎臓被膜下へ注入できることも確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
1.平成25年度に設計した細胞捕捉不織布デバイスを用いて、腎機能改善効果を動物実験にて確認する。 2.低侵襲植込み法による腎機能改善効果を動物実験にて確認する。 3.キチンなど新しい不織布素材のデバイス設計を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度の研究に必要な物品購入が完了したため、残額を翌年度分に申請した。 1.動物実験として、ラット、飼料などの購入費。2.デバイス設計として、細胞、成長因子測定キット、ディスポ製品などの購入費。SRLなどへの測定依頼費。3.海外を含めた学会発表と本研究に関わる最新情報入手(旅費、学会参加費など)
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