本研究では,これまでガラス化しないとされていた希土類酸化物を主成分とした組成のガラスを合成し,その光学特性の評価と構造解析を行った. 無容器法を用いることで,La2O3を主成分としたLa2O3-Nb2O5系ガラス,La2O3-B2O3系ガラスの合成に成功した.いずれのガラスも屈折率が1.9以上の高い値を有しており,かつ非常に小さな波長分散特性を示していた.物性データから得られた光学的パラメータやNMRなどの構造解析から得られた構造情報から,これらの希土類酸化物を主成分とするガラスは,その特性の起源や形成メカニズムにおいて,ネットワークといった従来の考えでは捉えられないことを明らかにした.
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