外部量子効率50%を超える白色有機EL素子の開発を目的とし、光学損失の約半分を占める表面プラズモン損失の低減と光取り出し効率の改善を目指した。このため独自のマルチスケール解析により有機薄膜内の光伝播と金属電極での表面プラズモン効果をシームレスに繋ぐ光学ツールを開発すると共に、同手法をマルチカソード構造有機EL素子に適用し、更に光学異方性を制御した基板との組み合わせにより、外部量子効率を標準構造と比べて2~3倍に改善できることを示した。これらの結果は、発光効率の向上に向けた光学設計技術の重要性と可能性を示唆するものであり、有機EL照明の実現に向けた幾つかの設計指針を示すことができた。
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