鉄基材料の水素脆化感受性に与える微量元素の影響に着目し、昇温水素離脱反応と走査電顕解析によって、約0.3%のV添加による旧オーステナイト粒内でのバナジュウム炭化物の微細析出が水素脆化感受性低減に有効であるが、PやSnなどの不純物元素低下は水素助長割れ発生抵抗に対してはほとんど影響がないことを明らかにした。装置の安全性評価のためには、割れの発生抵抗である破壊じん性KIH、伝播抵抗であるdJ/daおよび一定荷重下での進展速度da/dt 特性が必要とされる。本研究においては、新たに開発したオフセットポテンシャル法を用いて微量元素を調整した2.25Cr-1Mo鋼でそれらの特性を明らかにした。
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