自転車乗員と四輪車の有限要素法による衝突解析を行った.自転車乗員の挙動は膝高さが四輪車のフード高さによりも高い場合には,自転車乗員は大腿部まわりに回転する.膝高さがフード高さによりも低い場合には腰部がフード上を滑り,頭部が四輪車後方に衝突する.これらの知見は事故分析や頭部保護技術に反映されることが期待される. 事故データから自転車乗員頭部が四輪車のAピラーと衝突した際には,重症度が大きい.頭部インパクタを用いて速度35km/hにてフロントピラーに対する衝撃試験を実施した.頭部傷害値はヘルメット着用で減少したがその値は3000を超えた.Aピラーの変形エネルギーの吸収が必要であることが示された.
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