水素貯蔵材料として資源が豊富で安価であり,水素化物の重量水素密度が高いマグネシウム(Mg)が注目されている.ただし,Mg水素化物の生成・分解には300℃以上の高温環境が必要であり,実用化の障害となっている.Mg系水素吸蔵合金の特性を改善するための方策としては,遷移金属との合金化が必須であるが,現在知られている合金相は貯蔵能力が十分でない.そこで,メカニカルアロイングによる結晶微細化,真空蒸着による薄膜化,薄膜を冷間圧縮することによる超積層化により水素吸蔵放出特性が改善されることを示した.さらに,活性化Knudsen流を利用することによって水素吸蔵合金の特性が改善されることも示した.
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