研究課題/領域番号 |
25420042
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研究機関 | 独立行政法人交通安全環境研究所 |
研究代表者 |
松井 靖浩 独立行政法人交通安全環境研究所, その他部局等, 研究員 (00426230)
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研究分担者 |
水戸部 一孝 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60282159)
山本 創太 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (80293653)
一杉 正仁 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90328352)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 交通事故発生メカニズム / インパクトバイオメカニクス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は自転車乗員の事故に至る要因を明らかにし,自転車乗員の認知判断行動特性を明確にすることである.ここでは,最初に朝の通勤時間帯に信号機のない交差点における自転車乗員の行動特性を分析した.その結果,自転車の交差点進入時の平均走行速度は3.1m/sであり,多くの自転車が道路の左側を走行していることが分かった.ただし,この交差点の左角には建物があり,交差道路を行き交う車両,自転車,歩行者が自転車乗員には死角となり,交差点進入直前まで認識が困難な環境であった.このように,道路の左側を走行する自転車が走行速度を保ち,安全確認をせず交差点に進入する行為は,特に走行音を伴わない電気自動車や自転車が接近した場合,衝突事故の起因になりえることが判明した. 次に,車両に搭載したドライブレコーダより取得できるニアミスデータを用い,車両と自転車との接近状況を分析した.車両と自転車との接近状況について,死亡事故とニアミスを調査した結果,いずれの事象も車両が直進し,前方を自転車が横断する事例が最も多い傾向にあった.本結果から,ニアミスデータは事故状況を把握する上で活用可能であると考えられる.そこで,ニアミス事象において車両が直進し自転車が横断するケースに着目し,衝突予測時間(TTC)を算出した.その結果,建物や車両などの物陰から自転車が飛び出す場合のTTCは,障害物なしの状態で飛び出す場合のTTCと比べ有意に短いことが判明した. これらの結果より,自転車乗員,車両運転者共に障害物等により見通しが悪く,相手を認識できない場合,出会い頭での交通事故に至る可能性が極めて高くなることが推察される.今後,自転車専用のカーブミラー等の新規設置により視界が改善されることが望まれる.さらに,自転車検知型被害軽減装置の開発や保護性能評価手法において,本分析結果が反映されることが期待される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全体について当初の予定どおり実施できている.
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今後の研究の推進方策 |
交通事故データを用いて自転車事故による頭部傷害内容を調査する.高齢自転車乗員モデルを作成し,自転車乗員と車両との衝突シミュレーションを実施する.試作した仮想環境下において,模擬道路上に車両を走行させ,車両から死角となる方向からの自転車接近状況における自転車乗員の進行判断を調査可能なシミュレータの改良を試みる.
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次年度使用額が生じた理由 |
共同研究者の発表の時期がずれたため.
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度の学会発表時に使用する予定である.
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