本年度は昨年度に引き続き、小型・可搬式中性子減の研究開発における中性子集光用中性子集光ミラー基板の超精密加工法の確立を行った。全面研磨時のNiP製ミラー基板の研磨面粗さがさらに向上させて、プロセスの安定性を図った。その結果Ra0.2nmの粗さが安定的に研磨できる条件が得られた。 一方、NiPミラーの加工精度についても低下しない方策を考えた。中性子ミラーの設計形状は楕円形状であるが、精度変化が把握しやすい平面ミラーをモデルとして、超精密ダイヤモンド切削した平面ミラーの研磨前後の形状変化を追求した。また、研磨方法も小径研磨工具を用い、NC制御による研磨面の変化について検討を行った。工具のサイズや走査軌跡の最適化により、平面ミラーの高精度研磨ができるようになった。 走査式研磨法の研磨面粗さの向上についても提案した低周波振動研磨法を援用し、研磨の安定性や研磨面粗さの向上に一定の効果が認めた。最終的には小径回転研磨工具を用いて、50mm□のNiPミラー基板の研磨に成功した。 また、ミラー基板の評価についても関係研究先に協力し、粗さや形状測定の評価や研磨面の洗浄などの課題を見出した。 以上のように、本研究では中性子ミラーの最終加工プロセスを確立するために、小径回転研磨工具を用い、コンピュータ制御による修正研磨行い、ミラー基板の形状精度を維持しながら、表面粗さの向上を目指し、効率的加工可能なプロセスの検討を行い、ミラー基板を製作することが出きった。
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