研究概要 |
1) 数理モデルの構築と求解規模の評価 :姿勢変化を与えるための回転写像に加え,干渉を禁じる制約条件について,非線形式による判定条件から成る数理モデルの構築を行う.特に,工具形状および被削材形状を微小平面による多面体により表現する場合,それぞれの形状の分割数は,加工精度に関係するだけでなく,最適化が可能な問題規模にも影響を与える.また複雑な加工を行うために加工経路の分割が多くなる場合にも,注意が必要である.そこで,初年度のうちに,解を求めることができる問題規模の評価を行い,次年度以降の検討課題を明らかにする. 2) 加工効率の最適化に関する加工条件の選定:びびりなどの現象は,回転数や軸方向の切り込み量などの切削条件に加え,工具姿勢の影響を受け,加工効率を左右する.本項目では,びびりを抑制し高効率で加工が可能な条件と,工作機械,被削材および工具の機械特性の関係を検討し,望まれる加工条件を選定する. 3) 加工品質の最適化に関する加工条件の選定:表面粗さ,形状精度に代表される加工品質に関し,工具刃先形状,および工具と被削材との相対的な運動軌跡に加え,工具姿勢の与える影響を考慮した望まれる加工条件を選定する. 4) 異なる加工目的に対する評価関数の決定:加工効率や加工品質など異なる加工目的に対して工具姿勢の最適化を行うために必要な評価関数を決定する.本評価関数についても,非線形制約式による制約を想定することで,従来に比べて簡素な数理モデルの構築について検討を行う.また,必要に応じて新たな制約式の追加あるいは既存の制約式の修正を行う.
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