研究課題/領域番号 |
25420051
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
樋野 励 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (80273762)
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研究分担者 |
鈴木 教和 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00359754) [辞退]
社本 英二 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20216146) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 多軸制御 / 工具姿勢 / 最適化 / 数理計画法 |
研究実績の概要 |
多軸制御工作機械による機械加工を行う際に必要な工具姿勢の最適化手法について検討を行っている.本年度は本課題を,より一般的な問題への拡張を行った.具体的には,2つ以上の姿勢に関する変数を有する物体について,時刻毎の相対的な位置関係が与えられているときに,定められた箇所以外の干渉の回避を行うための姿勢を求めるための手法と位置付けた.このように,多関節を有する移動体の干渉に関する問題として捉え直すことにより,姿勢2軸を前提とした多軸の工作機械による複雑形状のための加工問題だけでなく,多関節の組み立てロボットの動作計画や,柔軟構造物の障害物回避計画などその応用範囲を広げることが可能と考えたためである.
干渉問題の拡張を行うために取り組んでいる課題は大きく2つに分けられる.1つは,物体の姿勢の表現方法であり,他方は物体間の干渉の判定方法である.これまでの姿勢表現の方法は,加工物の固定方向に制限の多い工作機械を対象とする場合には問題にならなくても,多関節を有するロボットと把持物体を対象とする場合には問題になることがある.ここでは,姿勢表現に用いるパラメータ数を増やすことにより,柔軟構造物を含めた対象物を対象に含めることができるように提案手法を拡張した.本拡張により,工具姿勢の最適化を想定した既存の手法では取り扱うことができない干渉問題の検討が可能になり,差別化への貢献が期待できる.干渉の判定方法は,物体の形状の表現方法や,判定に要する計算時間との関連が大きい.本法に関しては今年度中に検討を終えることができていない.応用や実用を考えるときに,判断指標の重要な1つになり得るため,これまでの判定方法の見直しを含めて,検討を継続する.さらに,本年度は,提案手法の定量的な評価を行うための基準形状の検討を行った.基準となる形状を定めることにより,今後の検討内容の定量的な改善評価が可能と考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2014年9月15日付けをもって名古屋大学を退職し,同月16日より大阪電気通信大学に勤務しているため,研究分担者の変更を届け,同時に研究分担者分の研究課題の見直しを行っている.研究環境の整備の必要性に加え,課題の修正を余儀なくされたため,当初の研究計画に比べ遅れを認めざるを得ない.
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今後の研究の推進方策 |
基本的には,当初の計画にしたがって研究を推進する.ただし,提案手法の応用例としては,多軸の加工以外についても調査,検討を行い,狭い通路の移動など障害の回避のために姿勢変化が求められる課題などを視野に入れた研究を推進する.また,提案する数理モデルに用いる基礎数式についても,再度見直しを行い,応用範囲をさらに広げるための工夫を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年9月15日付けで,前所属機関である名古屋大学を退職し,同年9月16日より現所属機関である大阪電気通信大学に勤務している.この異動に伴う研究環境の変化により,計画内容の一部を見直さざるを得ず,研究費を有効かつ適切に研究活動に使用するために,性急な予算の執行を控えた.そのため,次年度に使用できる予算額に変更が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度に購入を計画していた計算機の購入を行い,提案手法の検討に使用する.また,現所属機関にある5軸の工作機械の活用を考え,平成26年度および平成27年度に計画予定の切削工具および被削材の購入を行う.研究成果の公開のための投稿論文に関わる費用にも当初の計画どおりに使用する.
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