安価で簡単に小径管を製造するために,鞍反り予成形を利用した連続シュー成形の利用を提案した.鞍反り曲面を成形するためには,長手方向に沿った素板が必要である.そのために非対称圧延による反った素板の成形が試みられた.非対称圧延の圧下率が反り曲率に及ぼす影響が調査された.長手方向曲率は圧下率の増加とともに周期的に変動する.この現象は,小径ロールとの接触開始位置で起こる大きな塑性変形が,すべり線に沿って伝播するという仮説により説明された.長手方向に大きく反った素板を真っ直ぐに伸ばすと,幅方向に大きな反りが生じた.この幅方向の大きな反りは,連続シュー成形に有効である.
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