本研究では,従来のレーザ溶接やスポット溶接など,高い熱エネルギーにより金属を溶融・凝固させる方法ではなく,金属を個体のまま接合し,熱変形等のない精密,クリーンかつ省エネルギーな接合技術を開発することを目的とした.その方法として,接合面を正確に密着させ,微小塑性変形させて塑性変形部を超音波振動により高速摩擦する方法により,接合界面を溶融させることなく固相のまま化学反応させて接合する金属部材の精密接合方法について検討した.具体的には,精密超音波接合の成立条件に関して解析し,接合のための装置構造について明らかにし,各種の接合実験を実施して,接合状態などを詳細に検証し,その有効性を明らかにした.
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