研究課題/領域番号 |
25420067
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
谷口 淳 東京理科大学, 基礎工学部, 准教授 (40318225)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ナノインプリント / ロールナノインプリント / 金属転写 / モスアイ構造 / ナノ配線 / 反射防止構造 |
研究概要 |
金属パターン転写方式として、マイクロコンタクト方式とナノインプリント方式の違いを調べた。マイクロコンタクト方式では、転写性が悪いのと解像度が悪いことがわかった。ナノインプリント方式では金型の凹部分、凸部分双方の金属パターンが転写されてしまい、配線やプラズモンパターンに必要な分離した構造が作製できない。そこで、ナノインプリント方式で、金型の上部の金属を取り、その後ナノインプリント方式で転写する方法を考案した。この方法であると、分離した金属パターンを高解像度で転写できることがわかった。この方式であれば、ロール転写化も可能となり、銀インクを用いた金属ロール転写方式も可能となる。また、グラッシーカーボンに酸素イオンビームを照射して表面を荒らし、反射防止構造(モスアイ構造)に関する転写方式も確認した。まずは、平面状のグラッシーカーボンをモスアイ形状に加工し、その後、光硬化樹脂でレプリカモールドを作製した。このレプリカモールドをロール金型に貼り付け、その後ロールトゥロール(RTR)で光硬化樹脂(UV-NIL)を用いて転写を行った。その結果、フィルム上にRTR-UV-NILによりモスアイ構造が転写でき、反射率も低減できた。この成果は、今後のモスアイ状の金属パターンを作製するうえで基礎となるものである。また、RTR-UV-NILの転写速度について調べたところ、光硬化樹脂の場合は、十分な紫外光照射がある状況では、18m/分の速度で転写が可能となった。このことより量産性に関しても成果が出てきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ナノオーダーで分離された金属パターン転写を行うのは難しいが、当該年度において、新手法を完成させ、銀インクを用いてナノ分離構造の転写に成功した。 また、ロールナノインプリント方式に関して転写性、転写速度およびレプリカモールドを用いた転写方式に関して確立を行った。まずは光硬化樹脂で行ったが、フィルムへ銀インクなどを固定するには光硬化樹脂を用いるため、次年度で銀インクを用いれば、ロールによる金属転写も可能となる。 上記のように順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、ロール状のグラッシーカーボンを用いて、RTR-UV-NILを行い転写性を確認する。 また、レプリカモールドを持ちいた金属転写方式も引き続き検討する。 また、出口側のデバイスを意識し、金属配線、プラズモンデバイス、メタマテリアルなどへ適用できる形状の転写に関しても調査する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初に計画していた物品費より安く済んだため。 H26年度の物品費と合わせて使用予定。
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