研究課題
最近,バインダレスのナノ多結晶ダイヤモンド製小径エンドミルが開発され,従来は困難であった高硬度材に対する高効率高精度な微細形状超精密切削の実用化が期待できるようになった.一方,その実現には超精密工作機械用の工具スピンドルの高回転数化と軸受の高剛性化の両立が必要不可欠であり,従来,この条件を満たすスピンドルは内外に存在しなかった.本研究課題は,高機能ガラスレンズやLEDレンズ用金型等の加工に適した高速高剛性水静圧スピンドルを開発し,ナノ多結晶ダイヤモンド小径エンドミルを用いて,高硬度材の高効率高精度切削を目指して実施したものである.さらに,グリーンマシンの概念に基づいた完全オイルレス超精密工作機械を開発して超精密加工実験を行うことも目指して実施した.本研究課題で実施した,主な内容は次の通りである.(1) グリーンマシーン対応水静圧スピンドルの開発 高速回転と高い軸受剛性を兼ね備えたスピンドルを開発し,その基本性能評価を行った.(2) 水静圧スピンドルのスラスト位置決め制御システムの開発と制御性能評価 開発したスピンドルに対して,微小位置決め制御機能を具備させるために,水静圧軸受に対する流量制御によるフィードバック制御システムを開発した.(3) 水静圧スピンドルの熱的安定性の評価 スピンドルを回転させることによるスピンドルならびに供給する水の温度変化特性を評価し,発熱の多くが水によって効果的に冷却できることを明らかにした.(4) ナノ多結晶ダイヤモンドバイトによる加工評価 各種材料に対して,ナノ多結晶ダイヤモンド工具による加工実験を行った.
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Proceedings of 16th International Conference of the European Society for Precision Engineering and Nanotechnology
巻: 1 ページ: 343-346
Proc. of 31th ASPE Annual Meeting
巻: 1 ページ: pdf
Proc. of ASME 2016 International Mechanical Engineering Congress & Exposition
Proc. 16 th Intl. Conf. on Precision Engineering