研究課題/領域番号 |
25420079
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
風間 俊治 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20211154)
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研究分担者 |
成田 幸仁 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90431519)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | トライボロジー / 機械要素 / すべり軸受 / 流体潤滑 |
研究概要 |
本申請では、潤滑油の粘度-温度特性に着目して、摺動部材の局所的な冷却・加熱で油膜の粘度を制御することにより、最適な圧力分布を発現させ、幅広い運転条件下において振動・騒音を低減させる真円ジャーナルすべり軸受の試作と実現可能性の検証を目指し、研究を開始した。 当該年度は、自励振動に着目した、ペルティエ素子搭載型の供試ジャーナル軸受の基本設計ならびに詳細設計に焦点を当てた。設計に当たり、過去に採択された科研費(基盤研究(C)、22560132)で試作した実験装置を活用して、軸受振動ならびに温度制御に関する現象の実験調査を行った。実験条件は、軸受の荷重を 98 N から 490 Nまでの 5 条件、軸の回転速度を 250 rpm から 1500 rpm までの 6 条件を設定し、これらを組み合わせた。結果として、低荷重かつ高速の条件において、振動の発生を確認した。加えて、振動が生じた状況下において、軸受ブシュを局所冷却したところ、振動振幅が減少する場合と増加する場合の両挙動が見られたことなどを把握した。それらの結果も踏まえつつ、新たな装置の設計を行うとともに、実験環境の整備を行った。供試軸受の主仕様は、直径 50 mm、幅 50 mmとし、さらに、ブシュ外形断面に多角形を採用することにより、冷却位置の効果に対する検討などを加えることとした。なお、新たに考案した試験機は、荷重方法をデッドウェイトによる梃子式からボルトによる引き上げ式とし、また、供試軸受の交換の利便性に配慮した構造とするなど、工夫を凝らした。また、定常状態における数値計算を進め、本解析のベースとなる数値モデルの妥当性についての確認を行うとともに、理論モデルの拡張に関する検討に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
供試軸受の概念設計に基づき、基本設計ならびに詳細設計を進める中で、数々の検討事項等が生じ、その解決に時間を要することとなり、試験装置全体の完成には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の遅れを取り戻すべく、試験装置の製作および調整等を迅速に進め、試運転ならびにデータの収集に取り掛かる計画である。また、数値計算による理論的アプローチも平行して進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
供試軸受の詳細設計が遅れ、年度内に部品加工、製作組立等の作業工程が間に合わなかったためである。 本年度上期に加工製作を行い、研究費を使用する計画である。
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