本研究では、主に潤滑油の粘度-温度特性に着目して、摺動部材の局所的な冷却または加熱により油膜の粘度等を制御することで、軸受の隙間における潤滑油に最適な圧力分布を発現させて、幅広い運転条件下で振動および騒音を低減させることの可能な滑り軸受の開発を目的とした。その考案を検証するための供試ジャーナル軸受を製作した。 供試軸受に装着したペルティエ素子の冷却加熱特性、軸受温度分布の制御性能、自励振動の発現条件などに関する予備実験を実施した。その結果を踏まえた、自励振動発生下における局所的な過熱冷却実験により、軸受ブシュを局所的に冷却および加熱することで軸受の振動が大幅に低減される現象を確認した。
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