本研究課題では、潤滑油の劣化の極初期段階での劣化進行メカニズムを解明することにより、潤滑油の「プロアクティブ診断法の創出」を目指した。 顕微FT-IRを用いたその場分析による酸化変質物の初生・成長過程を可視化できる技術を構築し、ろ過油温とメンブランパッチの色及び酸化生成物との関係について明らかにした。また、標準サンプルとなる模擬劣化油の作製法を確立し、酸化変質物の成長段階とその物理化学特性との関係について明らかにした。さらに、実機試料油の予寿命を予測する試みの一つとして、酸化加速試験法の一つであるDry TOSTとRPVOT値との関係を調べ、予寿命予測法の妥当性を示した。
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