研究課題/領域番号 |
25420098
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
落合 成行 東海大学, 工学部, 教授 (40407995)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | トライボロジー / 流体潤滑 / 最適設計 / スピンドルモータ / 気体軸受 / 低消費電力 / 角度剛性 / HDD |
研究実績の概要 |
本年度は、最適設計を実施した。本研究課題で提案したインナーロータ型モータに気体軸受を適用した際の軸受特性向上を最適設計により検討した。従来のモータ構造、すなわちアウターロータ型スピンドルモータでは、軸受に許されるスペースが狭く、空気軸受を適用する際の深刻な制約となっていた。これに対し、提案したインナーロータ型スピンドルではステータコアの外側に軸受を配置できるため軸受面積を大きくとることが可能で、粘性の低い気体でも、油膜軸受と同等の軸受剛性が期待できる。これを踏まえ、まずスラスト軸受の軸受剛性最大化と軸受トルク最小化の両者を高める多目的最適設計を実施した。その結果、気体軸受スピンドルでは、アキシアル剛性を油膜軸受スピンドルと同等に保ちつつ、トルクを約半分にすることが可能であることが確認された。また角度剛性に至っては、軸受外径を大きくできたことにより、大幅に向上した。地震などの災害に強くかつ低消費電力なHDDの実現に貢献できると考える。 一方で、レーザー加工による軸受溝形成における加工誤差ついても併せて検討した。レーザーの照射条件(レーザーパワー、印字回数、スイッチ周波数、ピッチ)をパラメトリックに変更し、溝深さ目標値との誤差とそのばらつきを最小にする条件を結果のマップ化により割り出し、本スピンドルの製作に有用な結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インナーロータ型スピンドルを用いた最適設計とレーザ溝加工の検討を行い良好な結果が得られたことから、おおむね順調と考える。但し、より特性を高めるためには軸受の外径寸法等 を再度見直すことが有効と判断されたため、このような検討を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
上述のとおり、軸受寸法等の見直しを再度行う。また、最適設計に基づいて試作モータの製作を行い、同モータを用いてインナーロータ型最適設計スピンドルの実験検証を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
設計の再検討により更なる特性向上が見込まれることがわかった。このため、再設計したスピンドルモータ部品を製作し、実験を行う。
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次年度使用額の使用計画 |
主として、試作モータ部品を購入予定である。
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