本研究では、水素の温度を急に上昇させることなく、安全かつ省エネルギーで充填時間を短縮するため、容器内に金属製綿を封入することで容器内温度変化を抑制する技術を用いた準等温化圧力容器を開発する。水素燃料電池自動車の容器における70MPa(G)までの高圧充填に掛かる時間の革新的に短縮化し、その研究基盤を確立することを目的とする。 今までの研究で以下のことを明らかにした。 ①耐圧35MPa(G)まで充填が可能な10Lの高圧水素用アルミ容器を一個試作し、実験は福岡にある水素エネルギー製品研究試験センター(HyTReC)の設備を利用して35 MPa(G)まで充填試験を行った。その結果準等温化圧力容器の温度上昇の抑制性を実験により確認した。 ②耐圧75MPa(G)まで充填が可能な37Lの高圧水素用容器一個を関連会社から提供して貰った。この容器はType4でアルミ容器に炭素繊維強化プラスチック(carbon-fiber- reinforced plastic、CFRP)を巻き付けたType3とは違い、CFRPのみでなっている。高圧水素で最新開発されているType4に容器を用いて、準等温化技術の有効性を確認する。 ③容器に金属製綿が封入されていない空圧力容器の場合と、金属製綿が封入されている準等温化圧力容器の場合において試験を行った。準等温化圧力容器の内部には直径50μmの銅線を入れ、温度センサを圧力容器内の中央部に沿って設置して充填による二つの容器内の時間による温度変化を計測する。100MPa用圧力センサを設置し、充填放出による二つの容器内の時間による圧力変化を計測し、この実験結果から高圧水素ガスにおける準等温化圧力容器の温度変化と伝熱の関係を明らかにした
|