本研究では5種類のトリッピング装置を用いて乱流境界層に対するそれらの影響を実験的に調べた.トリッピングとして,従来の円柱に加え,72個の小スロットスパン方向に並べた撹乱装置を壁に取付けて使用した.熱線流速計と壁にスパン方向に64個並べた圧力センサーを用いて測定したところ,流速分布や乱れ分布はトリッピングの影響をほとんど受けないのに対し,速度-圧力相関にはトリッピンクによりその分布が変化することがわかった.本実験は低いレイノルズ数範囲だけの結果ではあるが,今後,速度-圧力相関などの高次の乱流統計量を扱う場合には,トリッピングの影響にも注意しなければならないことが示唆された.
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