研究課題/領域番号 |
25420111
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
池田 敏彦 信州大学, 工学部, 特任教授 (60021010)
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研究分担者 |
飯尾 昭一郎 信州大学, 工学部, 准教授 (80377647)
内山 知実 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (90193911)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 水車性能向上 / 粒子法 / 可視化計測 |
研究概要 |
本年度はランナー効率向上のための形状最適化を実施した。ケーシングやガイドベーンを有する一般的なクロスフローランナーが部分負荷特性に優れることに着目して、幅広い落差と流量条件での運転が可能となるエコ水車を目指して、本研究でのランナーを開放型のクロスフロー式とした。これまでの開発が実験のみのアプローチであり、ランナー形状を変更するたびにランナーの出力評価とランナー内部流動現象の可視化を繰り返して好適な値を見出してきた。しかしながら、「開放型」では流量が変化すると水流の流入角度と位置、貫流角度、水流の流出角度と位置のすべてが変化する。これらの水流状況の詳細な変化を実験的に捉えることは困難である。そこで、実験で得やすい物理量(水流の流入角度、位置、厚み)を実験で評価し、その値を粒子法の境界条件として利用することでシミュレーションの精度向上と現象把握を実施した。そのうえで、ランナー内部の流動現象、入口羽根と出口羽根での出力分配の割合、ブレード表面の圧力分布など実験では得ることが困難な値をシミュレーションで明らかにすることで効率的にランナー形状の最適化を試みた。粒子法は2次元モデルで実施した。また、シミュレーション結果の妥当性を実験で得た水車出力との比較で検証することができた。ランナー内外部の流れを可視化計測し、ランナーへの水流の流入角度や厚み、位置について評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験と粒子法によるシミュレーションで相互補完しながら水車性能の向上を目指す当初の目的は達成しており、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
粒子法による解析結果について、圧力の解析精度が低く、騒音評価を実施するための障害となっている。そのため、圧力値を粒子法でより正確に求める方法としてアルゴリズムの検討をおこなっていく。変動圧力測定結果に妥当性が確認でき次第、騒音抑制の指針獲得ならびに水車性能の向上につながる因子の獲得を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初予定していた実験条件において、一部の水車形状条件での実験が未了であり、その分の材料費等を次年度に使用することとした。 平成25年度に未了の実験を実施するとともに、平成26年度は粒子法によるシミュレーションの深耕および得られた成果の学会発表、論文発表をおこなう。
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