研究課題/領域番号 |
25420122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
辻 拓也 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90379123)
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研究分担者 |
永橋 優純 高知工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (80208040)
田中 敏嗣 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90171777)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 固気混相流 / CFD / DEM-CFD / 偏析 / 浮沈 / 流動層 / 粗大物体 |
研究概要 |
実施計画に基づき本年度は,主に次の項目を実施した. 1. 粗大固体物体を含む高濃度固気二相流れを簡便に表現できる“Fictitious particle method”と名付けた計算手法を新規に提案した.実際に気泡流動層中での単一の粗大球運動について,小粒子:粗大球のサイズ比で1:17.2,粗大球密度/小粒子のかさ密度比が0.75~1.61の範囲で,提案手法による計算と実験の比較を行い,定性的な傾向のみならず,粗大球の浮沈挙動を定量的に予測できることを示した.また,流動中の粗大球の運動について詳細な調査を行い,粗大球近傍において形成される気泡が,浮沈運動に対して大きな影響を与えていること示した.これらの結果を学会等で発表すると共に,学術誌に掲載した. 2. 粒子間隙の微視的な流れまで解像する直接数値計算法に基づく計算コードも開発し,これを用いて壁面近傍における高濃度粒子を含む流れの微視的な計算を実施した.特に固体壁面の存在が粒子群や流体の流動構造に与える影響を詳細に調査した.粒子濃度が高い場合,壁面近傍で粒子群が密な構造を取れないため,相対的に空隙率が高くなり壁面近傍で吹き抜けが起こることを示した.これは高濃度固気二相流の数値解析に広く用いられているメゾスコピックモデルでは直接捉えられない微視的な流れの構造であり,今後これらの詳細なデータを用いて,メゾスコピックモデルの予測精度向上について検討を行う. 3. 計算結果の実験による検証の一つとして,流動層中に固定された物体の受ける力の精密測定を行った.計算-実験間の条件が近い,予備実験的な測定を行った.発生する非定常力と粒子運動の関係は,両者で近いものとなっている.今後は条件を完全に一致させた実験を実施し,計算結果の検証を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度,本研究の主題である計算手法の新規提案を行い,その内容および検証結果を学術雑誌に掲載するなど,研究は計画通りおおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
概ね計画通りに順調に進んでいるので,交付申請書に記載の通り,平成26年度は,(i)計算手法の拡張: 粗大物体の非球形形状の表現, (ii)実験-計算間の直接比較: 流動層中に固定された粗大円柱に働く非定常力の直接比較 などに取り組みたい.非常に複雑な現象であり,多くの支配パラメータが存在するので,個々のパラメータが現象に与える影響についても,詳細な調査を実施する.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計上していた旅費が格安チケットを使うことで節約でき,その分が繰り越しとなった. 繰り越し分については,次年度の旅費の一部として使用する予定.
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