小型ディーゼルエンジンでは,噴霧火炎が燃焼室壁面に到達しクエンチングが生じ,これが未燃炭化水素の排出や壁面へのデポジットの付着につながると考えられる.そこで本研究では,その基礎研究として炭化水素燃料の拡散火炎に壁面を挿入し,火炎に及ぼす壁面挿入の影響を調査した.その結果,軽油の層流拡散火炎では,火炎内部の温度が低下することや,粒子状物質の濃度が増加することが明らかとなった.また,プロパンの層流拡散火炎を用いて実験を行った結果,軽油の場合とほぼ同様な結果が得られたが,壁面温度の火炎に対する影響はほとんど見られないことが明らかとなった.
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