液体による高温面の非定常沸騰冷却中の高温面上のぬれ状態の回復は,高温面の急速冷却開始を決定づける重要な因子である.本研究では,高温面スプレー冷却の素過程を理解するため,スプレー冷却を模擬した高温面上での液滴列非定常沸騰実験装置を開発した.そして,高速ビデオカメラによる観察と応答時間0.07msの表面温度計を用いて,膜沸騰から遷移沸騰を経てクエンチに至る非定常沸騰遷移過程について,エタノール・水を用いて広範囲のサブクール度,高温面初期温度に対して実験を行なった.高温面のぬれを支配する支配パラメータとして,固液接触から蒸気膜生成時間の特性について検討を行った.
|