伝送遅れの分布が対数正規分となると仮定し,その影響が直接出るマスター側およびスレーブ側の観測データにおけるランダム遅れ項をテーラー展開により加法的観測雑音項として書き換える手法を本研究テーマにおいて開発した.観測システムにおけるランダム遅れ時間過程をテーラー展開により加法的観測雑音に書き換える手法を適用することで,平均遅れ時間周りで展開することが可能となった.この手法に基づき状態推定器を設計することで,ランダムな伝送遅れを伴う通信路を介したバイラテラル制御系の構成が可能となった.バイラテラル制御系に搭載する状態推定器としては,開発した状態推定機を適用し有効性を検証した.
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