研究課題
基盤研究(C)
操縦者が見ている路面上の位置を視線位置計測センサー等で計測できることを仮定する.そして,ハンドル操舵角情報と操縦者が見ている路面上の位置情報より,操縦者のハンドル操作特性(操縦者時定数,操縦者ゲイン)を推定するための適応推定器の設計法を開発した.この推定器の安定性を理論的に証明し,さらに,数値シミュレーション実験を通して開発された適応推定器の推定性能の有効性を確認した.すなわち,操縦者時定数や操縦者ゲインが未知定数の場合,設計パラメータを設定することにより,素早く真値が推定できることを示した.そして,操縦者時定数や操縦者ゲイン時間的に変動する場合にも提案する適応推定器が有効であることも示した.さらに,操縦者が見ている路面上の位置情報に計測外乱が存在する場合に対する推定性能改善法を提案し,その手法の有効性を数値シミュレーション実験を用いて明らかにした.操縦者のハンドル操作特性が大きく変動したとしても高い操縦性能を維持でき,かつ,車体のローリング振動による横転が発生しにくい理想的な動きを実現できる改善型理想車両モデルの設計法を開発した.本手法では,車両重量等の車両パラメータが未知であり,そして,路面状況に関係するタイヤ横剛性が未知な場合にも利用できるという利点が存在する.次に,実車両の挙動を改善型理想車両モデルの挙動に追従させるための追従制御法も提案した.今後,この手法を基に,適応推定器により推定された操縦者時定数や操縦者ゲインを利用した新しい操縦安定化手法の開発を目指す.
2: おおむね順調に進展している
研究計画に従い,操縦者のハンドル操作特性(操縦者時定数,操縦者ゲイン)を推定するための適応推定器の設計法を開発した.さらに,操縦者が見ている路面上の位置情報に計測外乱が存在する場合に対する推定性能改善法を提案し,その手法の有効性を数値シミュレーション実験を用いて明らかにした.操縦者のハンドル操作特性が大きく変動したとしても高い操縦性能を維持でき,かつ,車体のローリング振動による横転が発生しにくい理想的な動きを実現できる改善型理想車両モデルの設計法を開発した.
適応推定器によって推定された操縦者時定数や操縦者ゲインの情報を基に,操縦者のハンドル操作特性が大きく変動したとしても,高い操縦性能を維持でき,かつ,車体のローリング振動による横転が発生しにくい理想車両モデルの設計法を開発する設計される理想車両モデルの動きに実際の大型車両の動きが一致すれば,本研究の目的が達成される.そこで,つぎに,実際の大型車両の動きを理想車両モデルの動きに追従させるためのロバスト追従コントローラの開発を行う.最後に,ドライバーシミュレータを用いて,開発されたローリング振動抑制手法の有効性を検証する.
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Proceedings of The Nineteenth International Symposium on Artificial Life and Robotics 2014
ページ: 619-622
ページ: 637-640
International Journal of Artificial Life and Robotics
巻: Vol. 9, No. 1 ページ: 9-15