研究課題/領域番号 |
25420191
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
佐藤 俊之 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (40315635)
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研究分担者 |
齋藤 直樹 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (60315645)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 機械力学・制御 / 制御工学 / モデル予測制御 |
研究実績の概要 |
平成26年度では主に,制約付き多変数モデル予測制御に基づくシミュレーションならびにリアルタイム制御用プログラムの作成をおこなった.また,モデル予測制御手法の一種である予測関数制御の補償器の伝達関数表現を利用し,更なる追従性能の向上を実現する設計方法を開発した.さらに,実験装置の製作とシステム同定をおこなった. 制約付き多変数モデル予測制御のシミュレーションならびにリアルタイム制御用プログラムの開発にあたっては,制御系CADではデファクト・スタンダードソフトであるMathWorks社製のMATLAB/Simulinkを使用した.汎用的なプログラムとするために,MPCの可調整パラメータや制約条件,定数などはすべて設定用スクリプトMファイルとして作成し,これをSimulinkモデル内に設定したEmbedded MATLAB Functionブロックから読み込む構造を取った.Embedded MATLAB Functionブロック内では平成25年度に作成したHildrethのアルゴリズムに基づく二次計画問題ソルバを実装し,サンプリング周期が10ms程度でも最適化計算が完了する高速なプログラムを作成した. また,予測関数制御補償器の伝達関数表現を利用することにより,閉ループ伝達関数を計算できるようになったため,フィードフォワード補償による追従性能の向上を図った.具体的には,零位相誤差追従コントローラ(ZPETC)と呼ばれる予見フィードフォワード補償器を併用する方法を考案し,設計手順についてまとめた. 最後に,実験装置として2リンク水平マニピュレータを製作し,システム同定をおこなうことで,2入力2出力の線形状態空間モデルを導出した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MATLAB/Simulinkに基づくリアルタイム制御用プログラムのデバッグが完了し,今後,種々の実験を行えるようになった.また,予測関数制御に関する追従性能の改善に関する手法も新たに開発できた.以上より,実施計画に沿って順調に実施できたと考える.
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今後の研究の推進方策 |
今後は実施計画どおり,補償器設計とシミュレーションによる評価,補償器の実装と実験による開発手法の評価,ロバスト性の評価などをおこなう.
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品が予定額よりも安価に購入できたことに加え,国際会議参加時に宿泊代の安いホテルに宿泊できたために旅費が浮いたことによる.
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度に参加する学会参加登録費および実験装置用部品の購入代金として使用する予定でいる.
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