研究課題/領域番号 |
25420194
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
新谷 篤彦 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90295725)
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研究分担者 |
伊藤 智博 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60347507)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 機械力学・制御 / 耐震 / 確率論 / 減災 / 地震 |
研究実績の概要 |
阪神大震災や東日本大震災のような大きな地震が発生している日本では,化学プラントや原子力発電所のような重要な大規模な施設においてそのような地震を受けると大きな被害が予想される.このことから本申請においては大規模機器配管系に注目し,今後も派生しうる未知の巨大地震動に対して,確率的に耐震設計技術の構築について検討を行った. 特に平成27年度は(4)リスク評価の指標の提案,(5)大規模構造物の耐震設計における低次元化の検討を中心に行った. (4)については機器配管系の損傷の割合,支持構造体のエネルギー吸収率,支持構造体の損傷の割合,複数の支持構造物を用いた場合の支持構造体のエネルギー吸収率の均等化やそれらの組み合わせなどをリスク評価の指標として検討を始めた.配管系に模擬地震波を入力する計算を複数回行い,配管系ならびに支持構造体の応答挙動を調べて,これら指標の値を探った.これらの中では,機器配管系の損傷の割合が一番重要な指標となりそうといえる.また,これらを組み合わせることで総合的なリスク評価ができそうであるといえる. (5)については振動モードの低次元化のために,自動的に重要な振動モードが抽出できるような選択手法を導入した.この手法に基づき重要なモードを抜き出すことを検討した.従来の,重要な振動モードを試行錯誤的に選びだす方法に比べ,重要なモードを簡便に選ぶことができる.さらに,この方法では計算精度もなるべく保持するようになっている.これにより,精度をある程度保持したままで大規模構造物の低次元化されたモデルを作る可能性が示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究を進めるにつれ,リスク評価の指標の提案についてはもう少しいろいろ検討が必要となったため.また学会の運営委員に選出され,周年行事担当になり,その業務で時間を取られたため.
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今後の研究の推進方策 |
27年度に十分には行えなかったリスク評価の指標の提案についてもう少し検討を重ね,リスク評価指標となる候補を上げ,それらの有用性,複合効果などについて検討を行う.研究のとりまとめを行う. これまでに加え,研究代表者,研究分担者,補助の大学院生がより密に連絡を取り合いながら多面的に検討を進めることで研究が推進されると考えられる.
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次年度使用額が生じた理由 |
リスク評価指標の提案についてもう少し検討する必要があり,繰り越し申請をしたため.
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次年度使用額の使用計画 |
27年度の予算の物品に,旅費などの予算配分の割合におおむね合わせて使っていきたいと考えている.
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