研究課題/領域番号 |
25420204
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工 |
研究代表者 |
滝田 好宏 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, その他部局等, 教授 (60546050)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ロボットドライバ / 自律移動ロボット |
研究実績の概要 |
車を運転するロボットドライバーの研究の2年目に当たり,大きく二つに分けて研究進めている.一つは,つくばチャレンジに参加して自律移動ロボットで走行実験を繰りかえすことにより,人間と共存する環境で安全に移動するための制御技術を取得し,ロボットドライバーの制御に適用する.二つは,ロボットドライバー本体の基本設計を行うために,関節を動かすアクチュエータの近くにモータコントローラ配置する分散型の制御システムを検討し,試作を行う. つくばチャレンジ2014ではSmartDump 8で参加し,これまでに開発した自律移動プログラムをさらに発展させ,人物,自転車,探索対象とそれ以外を認識することを目指して実験走行を行い,本走行において課題を達成した. ロボットドライバー用のモータコントロール基板は,RX621CPUを用いて設計し,ホストとの通信にCAN(Controller Area Network)を採用した.ハンドルを操作するには150Wのモータ二個を必要とするため,それに対応する電流容量を確保する.ここでは,耐圧が60Vで連続電流100A,瞬間電流400Aの面実装のMOS-FETでHブリッジを構成することで,小型大容量の制御ボードを試作した.このモータコントロータの性能を確認するために,つくばチャレンジにもう一台の自律移動ロボットAR-Chairに本コントローラを搭載して実験走行を行っている.AR-Chairはアーティキュレート式で四輪駆動で屈曲部の角度制御用と駆動用のすべてが24V150Wのモータを使用しており,人間一人を載せて移動できるように設計されている.実験走行において,人間を載せた状態でも自律移動ができるまで,制御装置を仕上げ,つくばチャレンジの本走行では探索対象を二人見逃すものの,自律走行を達成した.なお,本ロボットの成果はSI2014(計測自動制御)において発表し,優秀講演賞を受賞した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SmartDump 8とAR-Chairでつくばチャレンジに参加して,それぞれ課題達成と自律走行を達成してきたが,ロボットドライバー本体の研究としては遅れぎみである. 本来であれば,車両に搭載できるまでのロボットドライバー本体の構造設計と試作がこの時点で終了している予定であった.現時点でモータコントローラが完成し,占有する容積が決定しているため,今後の構造設計に反映できることが幸いである.
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今後の研究の推進方策 |
ロボットドライバー本体の設計と試作を行うことが大きなテーマであり,半年で試作と車両に搭載した動作確認が行えると考える.また,前年に引き続いて,つくばチャレンジに参加することにより,自律移動能力を向上させるための公道実験を行う. 本ロボットが搭乗する車両としてPriusを考えていたが,研究室で新しく購入した八輪式水陸両用車(Argo)に変更することとしたい.この車両が車と異なるのは,スキッドステア方式であること,ブレーキとスロットルをモータバイクと同じように手の操作で行う方式という点である.そのために,ロボットドライバーの手に相当する部分を操作対象の形状に合わせる構造設計が必要となる.合わせて,Argoを運転するにはエンジン回転数と車輪回転角の両方をロボットに入力することが必要になるため,最低限の改造を行う.ロボット完成後,加減速,定常円旋回等の動作の調整を行い,無線操縦が行える段階に持っていく.その後,3DLIDARを搭載することにより,自律走行が可能なロボットとなるように研究を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
見積と契約の差異のため,残が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
ロボットを構成する部品の購入やつくばチャレンジへの旅費として,有効に活用する.
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