研究課題
車の自動運転の研究開発が盛んに行なわれているが,これまで車を自動化するには改造するため多くの費用が必要となり,車本体が故障することを考えると,その有用性に疑問がある.そこで,人間の運転する車両の自動運転を可能にする方法として,特別な改造を必要とせずに,車両を運転するロボットドライバーを搭乗させることを提案する.本研究では運転する対象として,水陸両用車ARGOを選んでいる.ARGOはエンジンを搭載し,左右それぞれ四輪合計八輪を持ち,ハンドルの前後操作で旋回を,スロットルを回転させることで前後に移動する.また,ブレーキは左手で,前後の変更は左手でトランスミッションを操作することで行う.このように,水陸両用車の運転操作は一般的な車の操作系とは異なるが,本車両の用途として災害対応車両としての利用が考えられる.そこで,スロットル,ハンドル,ブレーキおよびトランスミッションを操作する制御系を持つロボットドライバーを試作して車両に搭乗させ,無線遠隔操縦による走行実験を行い,操縦特性を評価した.なお,本研究においてつくばチャレンジに参加し,実用的なロボット車両の自律化に求められる安心・安全と確実性を兼ね備えた制御技術の修得を行った.2013年はSmart Dump 7で,2014年はSmart Dump 8とAR chairで,2014年はSmart Dump 9でつくばチャレンジに参加した.Smart Dump 7と8は課題達成,AR chair は自律走行達成して,操舵式車両の自律走行に関する制御方式をほぼ確立できたものと言えるが,Smart Dump 9ではセンサとの通信の不具合により継続が不可能になった.一部のセンサの故障,通信の不具合があっても走行を継続できるような制御システムの構築が求められた.ここで得られた,制御方式をロボットドライバーの自律制御システムに反映する.
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Journal of Robotics and Mechatronics
巻: Vol. 28, No.4 ページ: 1-8
巻: Vol. 27, No.4 ページ: 337-345