研究課題/領域番号 |
25420207
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
渋谷 嗣 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00154261)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 機能性ゲル / 粘弾性 / Fractional Calculus / 動的応答 / 非線形 |
研究実績の概要 |
平成26年度に明らかにしたFractional Calculusに基づく調和関数の微分および積分の解析的に求めた評価法は単一調和振動入力に対する非線形応答の解析に有効であことを明らかにし,アメリカ機械学会(ASME)のSMASIS2015(Colorado Springs, USA)において口頭発表を行った。平成27年度においては,種々の機能性を有するゲルの自己センシング効果に関する調査と自己センシング機能をアクチュエータに適用するための制振の評価法について確立することを目的として研究を進めた。その中で,電気伝導性を有するゲルと,磁気応答性を有するゲルを対象として取り上げ,調査を進めてきた。精密アクチュエータへの応用に関してゲルの非線形応答の影響をより一般的にモデル化する必要性があることを痛感した。そこで,入出力に相互干渉のある非線形応答に関しては,任意の入出力関数に関する評価方法が必要であることが分かった。そのことから,Fractional Calculusの評価に関する数値計算手法の検討を進め,一般化したFractional Calculusを用いた非線形モデルのパラメーターの同定方法について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
非線形性の動的応答を有する機能性ゲルにおいて,精密アクチュエータの制振設計に応用するためには入出力に相互干渉のある非線形応答に関して,任意の入出力関数に関するFractional Calculusの評価が必要であることが明らかになってきた。この問題点の解決のために,Fractional Calculusの評価に数値計算手法を適用し,任意の入出力関数に関する非線形応答を得るアプローチを進めた。しかし,秋田大学における管理運営に付随した業務が多忙になったので,新たな課題を克服し,本研究課題の成果をより確実なものにするために延長申請を行い,平成28年度に継続することとした。
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今後の研究の推進方策 |
機能性ゲルを適用したアクチュエーターの自己センシングを有するセミアクティブの制振と動的安定化の可能性と設計法について検討する。そこでは,Fractional Calculusの評価に数値計算手法を適用し,任意の入出力関数に関する非線形応答を得る平成27年度から継続したアプローチを用いて機能性ゲルの非線形特性に関する一般化したモデルを構築する。機能性ゲルの非線形特性に関する一般化したモデルを用いて,機能性ゲルおよびそれを適用したアクチュエータの評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
精密アクチュエータの制振設計に応用するためには入出力に相互干渉のある非線形応答に関しては,任意の入出力関数に関する必要であることが明らかになってきた。この問題点の解決する必要が生じたが,秋田大学における管理運営に付随した業務が多忙になり,入出力に相互干渉のある非線形応答に関する実験の実施が遅れる結果となった。
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次年度使用額の使用計画 |
入出力に相互干渉のある非線形応答に関する実験に関する実験装置や実験資材の購入費および成果報告書の作成費として使用する。
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