本研究では、未知で複雑な環境を移動できる多脚歩行ロボットを実現することを目標に、分散型歩行制御法「接地点追従法」を改良し、高次の運動計画と分散制御のローカルな適応的運動生成とが一貫した分散型歩行制御法を確立することを目的にした。その実現に向けて、最終年度ある平成27年度は次の2つの課題に取り組んだ。 (1) 平成26年度に開発した6脚歩行ロボットでの実証を念頭に、接地点探索と歩行制御法である接地点追従法を同時に実行するに当たっての統合的なパラメータ設計手法について、従来手法を拡張し、より複雑な不整地での移動と多様な運動を保証するための手法を開発した。 (2) ムカデ型多脚歩行ロボットの移動性能の向上を目指し、脚と体節間関節の同時制御において従来手法を改良し、物理シミュレーションによりその有用性を明らかにした。具体的には、脚の接地点から定義される接地点座標系の計算手法を改良し、左右脚の運動の独立性を許容できるようにした。
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