研究課題/領域番号 |
25420220
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岡田 伸廣 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80224020)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | レーザ光走査装置 / DMD素子 |
研究概要 |
DMD(Digital Mirror Device)評価装置を導入してレーザ光走査システムの実験系を構築した. 先ずはDMD評価装置と平面ミラーとを組み合わせた簡易なレーザ光走査装置を組み立て,分解能が非常に粗いながらもレーザ光の振り分けができることを確認し,またDMD評価装置の性能を確認した.以上の成果について,計測自動制御学会九州支部学術講演会において発表を行った. 次には,計画当初に予定していた特殊形状ミラーの製作を行うのではなく,同様の構造を持った回折格子を導入し,レーザ光走査装置試作の検討を行った.しかしながら,レーザ光路を詳細に検討したところ,特殊形状ミラーに必要とされるサイズはDMD素子のサイズによって厳しい制約があること,および特殊形状ミラーとDMD素子の間の間隔も現状では実現困難なほどに近付ける必要があることが判明した.そこで,特殊形状ミラーを用いる構成でレーザ光走査装置を構築する方法については,引き続き検討を続けることとなった. 同時に若干異なる構造として,特殊なプリズムとDMD素子とを組み合わせてレーザ光を走査するシステムの考案を行った.本方式では,レーザ光の射出方向を揃える方法等に未だ問題を残しているが,実際に構築可能な構成で走査システムを実現することができると考えられる.そこで,シミュレーションを行なうことによって特殊プリズムの最適な形状を求め,その結果に基づいてプリズムの製作を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた特殊形状ミラーによるレーザ光の走査については,特殊形状ミラーのサイズについて厳しい制約があることが判明したことから,予定通りには進んでいない.しかしながら,その制約について検討し,理解を深めることによって,実際にシステムを構築するためのミラーを設計する指針が得られた. また,新たな手法として特殊プリズムとDMD素子とを組み合わせてレーザ光の振り分けを行う構成を考案することができた.
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今後の研究の推進方策 |
25年度に判明した制約に基づいて,前年度導入した回折格子を改造するかもしくは新たに特殊形状ミラーを製作することによって,計画通りのレーザ光走査システムを構築する.そのために,特殊ミラーとDMD素子との間の距離が構築可能な距離であっても走査を行える手法を開発する. 特殊プリズムとDMD素子とを組み合わせてレーザ光の振り分けを行うシステムについても,25年度に製作したプリズムを用いて装置を構築して実験を行い,その性能の評価を行う.また,振り分けられたレーザ光の射出方向を揃える手法についても検討を行う.
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