研究課題/領域番号 |
25420228
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
上野 哲 立命館大学, 理工学部, 教授 (40322929)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 磁気浮上 / 磁気軸受 / セルフベアリングモータ |
研究実績の概要 |
2014年度は,補極を有する5軸能動位置制御型の実験装置の作成と制御システムの構築を行い,非接触浮上回転試験を行った。実験装置のステータは,現存する装置に補極を追加する形で製作し,ロータは新しく製作した。制御システムは,DSP2台と電流計算用回路からなり,渦電流変位センサで検出したロータの位置と姿勢から,必要な力とモーメントを計算し,さらに各コイルに流す電流を計算する。 上側ステータで一つの水平軸方向の並進運動と回転運動を,下側ステータで上側と直交する方向の並進運動と回転運動を,上下のステータを用いて上下方向の並進運動と回転トルクを制御する。ラジアル方向力とラジアル軸回りの傾きトルクは,4極電流と直流電流を流すことによって発生させる。ステータに4極電流を流すと,ロータにはラジアル方向力と傾きトルクが同時に発生する。また直流電流を流してもロータにはラジアル方向力と傾きトルクが発生するが,傾きトルクの向きが4極電流と反対方向となる。よって4極電流と直流電流を同時に向きに流すことによって,傾きトルクが打ち消され,ラジアル方向力のみが発生する。4極電流と直流電流を逆向きに流すとラジアル方向力が打ち消され,傾きトルクのみが発生する。 実験では,まずラジアル方向力と傾きトルク発生用の電流を流し,発生する力を測定した。その結果,有限要素解析と同様に,ラジアル方向力と傾きトルクが発生することを確認した。次にロータの浮上制御を行った結果,安定した非接触浮上が実現出来た。さらにインパルス応答を測定し,高い減衰比が得られていることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題では,5 自由度の能動制御が可能なモータ構造を提案し,浮上回転制御が実現できることを明らかにすることであるが,現在までに,提案する方法で浮上制御が実現できることを実験により確認している。これより現在の達成では,おおむね順調であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに,非接触での浮上制御が実現出来ることを確認しているが,回転制御は確認できていない。今後,モータ制御用に回転角センサ取り付け,閉ループトルク制御を用いて回転制御を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験装置の製作費が当初予定よりも低くなったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
実験装置の改良に使用する。
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