研究課題/領域番号 |
25420248
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
芳賀 仁 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (10469570)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | モータ制御 / 高効率 / インバータ |
研究概要 |
平成25年度は,本課題で提案したモータドライブシステムおよび制御法の開発および基礎実験まで行った。提案システムは,オープン巻線誘導電動機とデュアルインバータを用いて、一方のインバータの直流部をキャパシタで構成している。広範囲かつ歪みの少ないマルチレベル出力電圧を高効率に得られる電力変換器を開発する。以下の開発を行った。 (1) 制御法の開発 本課題で開発するシステムは、デュアルインバータを用いてモータ速度とキャパシタ電圧を一定制御する必要がある。従来の制御法では、制御の干渉が生じて安定性に問題があった。そこで、本課題では、非干渉を考慮した制御法を開発して、具体的には、直流電源をもつINV.1の制御としてすべり周波数ベクトル制御を適用し,回転子鎖交磁束を指令値に追従させる。そしてキャパシタを持つINV.2はPI補償器を用いた直流電圧制御によりキャパシタ電圧を可変制御する手法を検討した。モータ速度に応じてキャパシタ電圧指令値も変化させることにより,マルチレベル波形も変化でき,高効率化モータ駆動を狙う。 (2) 実験装置の開発および基礎実験の実施 上記(1)で提案する制御法の有効性を実験により確認した。まず、キャパシタ電圧がモータ速度に応じて制御可能であることを実験により確認した。これより,提案法を用いることにより誘導機相電圧の波高値を制御することが可能となる。また,誘導機始動時および低速時の損失の低減についても期待できる。相電圧波形の比較では、Y 結線誘導機と比べてより多レベルな波形となることを確認した。また,基本波周波数からキャリア周波数までを測定範囲とした出力電圧の総合ひずみ率は従来回路では76.6[%],提案回路では47.8[%]であった。以上、提案システムの基礎実験を行い、波形改善について確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究開発が順調に進み、平成26年度に実施予定だった制御法の実験検証をすでに開始できているため。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度も当初計画通りに実施する。順調に研究が進んでいるため、27年度計画予定の内容も前倒しで検討できうように心がけたい。 研究遂行上の課題は今のところ見当たらない。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験装置の仕様変更により、物品費に変更が生じたため 実験装置の改良にともなう物品費で使用する
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