本研究課題では,スマートグリッドで適用可能な電力変換システムを構築し,シミュレーションおよび実験により,その有効性について検証を行った。電力変換システムは,入力を太陽光発電や風力発電のような再生可能エネルギー発電システムとし,発電電力をいったんすべて並列接続された電気二重層コンデンサバンクに蓄電する。この蓄電電力を,出力高調波の少ない電流形インバータを並列多重化した出力側の系統連系インバータで売電もしくは無効電力制御による系統電圧安定化制御に使用することを想定した。電気二重層コンデンサへの充電にはソフトスイッチング降圧チョッパを採用し,実機実験においてソフトスイッチングの実現および高効率を達成した。並列多重電流形インバータは系統連系条件を考慮してその台数を8台とし,無効電力制御を実現した。配電系統モデルも構築し,すべての発電電力の売電は配電系統の電圧上昇を招くことがあること,無効電力を注入することによって電圧上昇の抑制にある程度の効果があることを明らかにした。
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