研究課題/領域番号 |
25420253
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
植田 浩史 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (10367039)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 超伝導マグネット / 磁場精度 / 電磁界解析 |
研究実績の概要 |
近年,高温超伝導技術を応用して医療用加速器やMRI,NMRなどの設計・開発が進められている。REBCO線材はテープ形状をしているため,垂直磁場の影響を大きく受け,遮蔽電流が顕著に誘導され、それによって不整磁場が発生する。この不整磁場により発生磁場の空間的均一性や時間的安定性を損なう可能性があるため、この不正磁場の磁場分布を測定・評価してきた。本年度は、磁場均一度や時間安定性に焦点を当て、三次元電磁場解析により評価を行った。モデルコイルを対象に三次元電磁界数値解析を用いて、遮蔽電流磁場の計算を行い、実験と定量的に一致する結果を得た。また、遮蔽電流の影響をコイル設計の点から評価・考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の最終目標は、遮蔽電流の影響を評価し、NMR/MRI用超伝導マグネットあるいは加速器用マグネットのような高磁場・高精度磁場を指向した高温超伝導マグネット設計の指針を示すことである。現在、開発した三次元電磁界数値解析手法によって遮蔽電流の影響は定量的に評価できるまでになっている。高磁場・高精度磁場・高温超伝導マグネットの設計にフィードバックするまでには至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
遮蔽電流の影響を高磁場・高精度磁場コイル設計にフィードバックするため、コイル形状や配置と遮蔽電流や磁場均一度の相関を分析する。また、現状の解析モデルの改良することで、本研究の目的である高温超伝導マグネットの高精度磁場解析と設計をより精緻に達成できる可能性があることが明らかとなったため、解析・設計技術の開発を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨今、国際会議などで超伝導の電磁場数値解析がテーマとして取り上げられるようになってきた。他の研究者と議論をした結果、現状の解析モデルの改良することで、本研究の目的である高温超伝導マグネットの高精度磁場解析と設計をより精緻に達成できる可能性があることが明らかとなった。そこで、新たな実験結果との比較と解析・設計技術の開発を次年度に継続することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
未使用額は論文発表などの経費に充当する予定である。
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