研究課題/領域番号 |
25420271
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
加藤 利次 同志社大学, 理工学部, 教授 (40148375)
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研究分担者 |
井上 馨 同志社大学, 理工学部, 准教授 (60343662)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | アクティブダンプ制御 / 仮想抵抗 / 正弦波補償器 / 安定性解析 / リアプノフ関数 / ディジタル制御 / 高速シミュレーション / 回路分割法 |
研究概要 |
本研究は平成25年度より3年間にわたる計画により構成され、(1) グリッド連系電力変換システムのアクティブ制御法の開発、(2) 安定化法の高速・広域化、(3) 電力変換システムのシミュレーションの高速・高効率化の開発を行うものである。平成25年度内においては(1)-(3) のすべての過程について研究を行ったが、特にアクティブ制御法の開発に関する(1) の過程の開発を中心として行った。 まず、グリッド連系電力変換システムのLCLフィルタの共振を制振制御するため、アクティブ制御法の開発に関して、調査研究を行い、正弦波補償器を用いたアクティブ制御法を開発した。正弦波補償器のみの構成で、安定かつ振動抑制効果があることが確認できた。さらにその際、仮想抵抗を制御系により構成することにより、より抑制効果を上げることがわかった。 次にグリッド連系システムの安定領域を広げつつ、また高速制御するため、リアプノフ関数によるエネルギー概念を用いて、制御系の構成法の検討を行った。同制御の実際への適用を考慮して、ディジタル制御による原理の導出の検討を行ったところ、従来明らかにされていなかった原理の導出に成功した。 また、電力変換システムのシミュレーションの高速・高効率化に関して、回路分割法や階層解析法の適用により、高速・高効率な回路シミュレーションの検討を行った。マルチコアのCPUを持つパーソナルコンピュータによる並列化処理を行うための数値計算法についても検討し、その高速化を確認することができた。また階層解析法に関してもその原理の検討を行い、高速化を確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は平成25年度において、(1) グリッド連系電力変換システムのアクティブ制御法の開発、(2) 安定化法の高速・広域化、(3) 電力変換システムのシミュレーションの高速・高効率化の開発、以上の3過程について研究を行ったが、研究実績の概要にも述べたようにすべての過程において基本的原理を考案することができている。またグリッドシステムのLCLフィルタの共振を制振制御やリアプノフ関数による安定化制御法に実験的検証も開始している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も本研究の3過程を並行して推進していく。グリッド連系電力変換システムのアクティブ制御法やリアプノフ関数の安定化制御法に関しては、実験的検証を行い、理論値との比較を行って、原理の再検討を行う。電力変換システムのシミュレーションに関して、すでに並列化等による高速な計算法を開発したが、今後、入力回路の自動分割等の汎用化を進めていく予定である。
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