本研究では,電力変換装置において零相電圧成分を利用した電磁障害の低減技術を確立した。特に,零相電圧成分の利用を最適化し,零速度領域からモータ駆動領域まで対応できる。具体的な成果は次の3点である。(1)モータ駆動時の誘起電圧を考慮して,重畳する零相電圧を出力周波数の関数とする方式を立案した。(2)モータの回転状態を模擬した詳細なシミュレーションにより,提案手法は,モータの全駆動領域における漏えい電流を従来手法よりも低減可能なことを明らかにした。(3)実機評価により,提案手法は,漏えい電流を従来手法よりも約30%低減できることを確認した。
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