深紫外波長領域に基礎吸収端を有するAlGaN混晶量子井戸構造を対象とし、2つの励起子の結合状態である励起子分子の基礎物性を解明した。発光励起スペクトルの測定より励起子分子の結合エネルギーを導出し、混晶量子井戸内に形成される励起子分子の結合エネルギー増大に対する局在効果と量子閉じ込め効果を分離して定量評価することに成功した。量子井戸層の膜厚や障壁層の混晶組成比を変化させた一連の試料に対する測定より、励起子分子の結合エネルギーは最大で160 meVに達し、室温以上の高温領域(750K)においても安定に存在することを明らかにした。
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