研究課題/領域番号 |
25420301
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
宗像 誠 崇城大学, 情報学部, 教授 (10183112)
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研究分担者 |
友重 竜一 崇城大学, 工学部, 教授 (90258640)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 超巨大一軸磁気異方性 / FMR 周波数 / FeCo / ナノドット / マイクロ波 |
研究概要 |
当該の初年度研究テーマでは,新規超巨大一軸磁気異方性(FMR 周波数100-1000GHz)の実現のためのナノドット形成のための,スパッタ製膜装置(独自開発のカールセル型スパッター装置)の特殊改造を要求備品の設営も含めて行った. この改造は100点にわたる精密部品からなり,アッセンブリーに25年度一杯の期間を要して行った.具体的には1.スパッタ源からのスパッタ粒子をヘリコン波RFコイルで直進化した. 2.マグネトロンの磁界を強化することによてスパッタ粒子数を従来の5-10倍にした. 3.カールセルドラムを水冷し,300r.p.mまで高速化した. 上記改造実施事項は,これまでの研究実績から確立したスパッタ粒子の堆積機構をシミュレータ解析に基づいて設計しているが,実際にはFeまたはCo膜でその改造効果を検証した.さらに,事前のFMR理論解析手段の構築準備も並行して行い,111面内のFeCo膜でのスピン回転がマイクロ波からTHzまでのFMR周波数をあらかじめ算定し,実施改造設計が当初の計画(備品請求の目標)通りに達成されたことを確認した. 取得したデータは基礎的な実証データであり,直接の研究テーマの学会発表や論文発表にはならないと考えられるが,独創的な新規の手段としての特許性はあると考えられるので,後日の研究成果出力への課題としている.以上に述べたように,実施状況として,超巨大一軸磁気異方性創生のための基盤手段を構築し,この手段によってFMR周波数の理論解析法についても妥当な結果を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該新規装置の改造に際して,備品仕様の精査,多数の特殊部品の設計・高精度製作に 時間を要した.組立調整にも熟練が必要で,調整にはカットアンドトライの時間も要したため.
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今後の研究の推進方策 |
改造製膜システムCoFe膜を形成し,改造前の巨大一軸磁気異方性と比較検討し,あらかじめ格段の向上が観測されれば,論文発表を行う. 向上が観測されない場合は,さらに改造調整を行う. 並行して,FeCoSm膜を形成し,FeCo膜に対して格段の磁気異方性の向上(超巨大一軸磁気異方性)が観測されれば論文発表を行う.次にこのFeCoSm膜のナノドット化を行い,最終目的の実行にかかる方針である.
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度計画進行の遅れで,予定であった物品Smターゲットを見合わせたため. また,同様の理由で分担者予定の支出がなかったため. 次年度は物品Smターゲット使用のため購入の予定で,これを分担者支出の繰り延べ使用で行う予定.
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