研究課題/領域番号 |
25420303
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研究機関 | 奈良工業高等専門学校 |
研究代表者 |
藤田 直幸 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90249813)
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研究分担者 |
平井 誠 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00534455)
宇田 亮子 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90321463)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 光応答性ベシクル / 金属-酸化物同時電析 / グラニュラ薄膜 |
研究実績の概要 |
光応答性のマラカイトグリーンを含む光応答性ベシクルを作製し、そのベシクルにセリウムを内包させた「セリウム内包光応答性ベシクル」の作成に成功した。この光応答性ベシクルは、卵黄レシチンと共同研究者宇田が独自に合成したマラカイトグリーン誘導体から作製している。UV光を作製した溶液に照射すると、白色から緑色への溶液の変色が確認できた。吸光高度計の測定でも、光照射後では610[nm]付近に吸収スペクトルのピークが現れており、ベシクルに光応答性が付与できていることが分かった。つまり、このベシクルを含む水溶液にUV光を照射するとベシクルが崩壊し、セリウムが水溶液中に放出される。 セリウム内包光応答性ベシクルを含む水溶液に対して、銅板を用いて、40℃で-0.6V vs.Ag/AgCl電析を行うと、UV光照射前は何も析出しなかったが、UV光照射後には酸化セリウムが析出した。この結果より、予想通り、光応答性ベシクルが電析においてカプセルのような働きをすることが明らかになった。 続いて、コバルトイオンを含む溶液にセリウム内包光応答性ベシクルを混入させた溶液で電析を行うと、UV光照射前はコバルト単体の電析膜の析出、UV光照射後は、コバルトと酸化セリウムの共存した薄膜の作製ができることが分かった。 この結果より、本手法により、Co-Ce-O薄膜の組成制御をUV光の照射によってできることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ベシクルの作製が、従来の装置との違いなどにより当初うまくいかず。そのために少々進捗が送れている。
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今後の研究の推進方策 |
光応答性ベシクルを使ったCo-Ce-O薄膜の組成制御について、最適なパラメータを求めるために、濃度や温度などの種々の成膜条件を変えた実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度の実験でベシクルの作製条件が定まらなかったことから、初年度の経費に繰り越しが約43万円生じた。H26年度はほぼ計画通り進み、予算執行も進めたが、なお20万程度の繰り越しが生じてしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
研究がほぼ予定通り進んでいるため、試薬などの消耗品を中心に執行をすることで、計画通りの研究遂行が実施できると考える。
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