研究課題
光ファイバ1本当たりのコアが一つだけの従来のシングルコア単一モード光ファイバでは、耐非線形性、耐フューズ性、および伝送帯域の制限から、近い将来に伝送容量の限界に突き当たることが予想されている。本研究では、こうしたシングルコア単一モード光ファイバの限界を打ち破る方法として、1本の光ファイバに多数のコアを収容したマルチコアファイバ技術と、一つのコアの中を伝搬する複数の固有モードを利用したモード多重伝送技術を組み合わせることにより、伝送容量の飛躍的な拡大を可能にする空間多重伝送技術のための基盤技術を確立することを目的として研究を進めた。平成27年度の研究では、コア多重とモード多重の組み合わせによる空間多重度向上の有効性について検討を行った。特に、2LPモード(3モード)マルチコアファイバと4LPモード(6モード)マルチコアファイバの詳細な比較を実施し、4LPモードマルチコアファイバにより、従来のシングルコア単一モード光ファイバと比較して、相対的な空間多重度を50倍以上まで拡大可能であることを明らかにした。また、マルチコア・マルチモード伝送を実現するためのモード合分波器に関しては、6つの空間モード(4LPモード)の合分波が可能な平面光導波路型モード合分波器、およびマルチコアファイバ溶融延伸型モード合分波器を提案した。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 8件、 招待講演 2件)
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