有機薄膜材料は軽量かつ耐衝撃性に優れ、低温成膜できるため従来と比較して低コストでの半導体素子が生産可能となる。本研究では、ペンタセンをチャネル層、絶縁層に電荷捕獲層を設けた有機半導体メモリの作製を試みた。ゲート電極としては、硼素ドープのp型半導体を使用し、その上に酸化膜と電荷捕獲層(CYTOP)を積層した、最後にソース・ドレインとして金電極を形成した。情報の書き込みはゲートに負バイアスを印加することで行い、しきい値電圧を測定したところ、ストレス印加前と比較して最大1.4V程度の変化がみられた。このことは、人間の脳の記憶保持機能に対応する。また、初期値に戻すことができることも確認した。
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