研究課題/領域番号 |
25420312
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
北 智洋 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40466537)
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研究分担者 |
田主 裕一朗 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教 (90397985)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | シリコンフォトニクス / 波長可変レーザ / デジタルコヒーレント通信 / 狭線幅レーザ / リング共振器 / 量子ドット |
研究概要 |
本研究は、シリコンフォトニクスを用いたレーザ光源の応用可能性を広げるために出力、波長帯域、発振線幅といった基本特性を向上させる事を目的としている。 今年度の研究では、シリコンフォトニクスによって作製した波長可変フィルター構造の改良によりL帯波長可変レーザの高出力化及び広波長帯域化を図った。また量子ドットSOAを用いた波長可変レーザに関しても初期検討を開始した。 1、高出力化の検討 波長可変フィルターの構成を従来の二つのリング共振器を直列に配置した構造からループ状に配置した構造に変更することで15.8 dBmの高出力化を達成した。さらに非対称マッハツェンダー干渉計を装荷することで16.2 dBmの出力と約40 dBmのサイドモード抑圧比を実現した。またループミラー部に形成した位相調整ヒータの精密制御により縦モードの位相を約4πの範囲で制御する事が可能になった。 2、広い波長帯域化 リング共振器の構造パラメータの最適化により約120 nmの範囲で波長可変が可能な構造を設計、試作した。本フィルターを用いてCバンド及びLバンドを一つのSOAでカバーする約95 nmでの波長可変動作を確認した。 3、量子ドットSOAを用いた波長可変レーザ InGas量子ドットを集積化させたSOAを用いて1250~1300 nm程度の波長範囲光学利得が得られる事を確認した。量子ドットSOAと結合させて外部共振器として機能するOバンド用のシリコン細線波長可変フィルターを設計、試作した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の平成25年の研究計画では、広い波長可変帯域と高いサイドモード抑圧比を持つ波長可変フィルター構造の設計までであったが、すでに試作、評価が完了しほぼ目的通りの成果が得られた。平成26年度に実施予定であった量子ドットSOAを集積化させた波長可変レーザに関しても初期検討を始めており、一年程度当初の計画を前倒しして進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究で明らかになりつつある、高出力時のレーザ発振不安定化の起源について、より詳細な検討を進め更なる高性能化を図る。量子ドット波長可変レーザに関してはOバンドにおける波長可変動作を実証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である。 平成26年度請求額とあわせ、平成26年度の研究遂行に使用する予定である。
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