研究課題
本研究の目的であるジャイロデバイスにおける共振器に入射する電子ビームのクオリティが発振に及ぼす影響に関して、(1)Gyrotron FU CW GIAの軸位置調整によるジャイロトロン発振出力の向上、(2)Gyrotron FU CW GIAで改良電子銃搭載によるジャイロトロン発振出力の向上、(3)ジャイロトロンFU CW GIVをジャイロBWO発振領域で発振させたときの発振特性測定、および(4)発振計算コードを用いたGyrotron FU CW GIAの発振特性の解析を行った。Gyrotron FU CW GIAは、発振計算では発振効率η~20%を期待していたが、これまでの測定ではη<5%であった。その原因として、マグネット軸とジャイロトロン軸が十分一致するように設置されていなかったことが考えられた。そこで、平成25年度に製作した位置調整用台座を用いて位置の微調を行った、その結果ηを~15%に上昇できた。さらに、このジャイロトロンに適した電子銃と置き換えることで、電子速度拡がりを小さくした。その結果ηは~18%まで向上した。ジャイロBWO発振については、計算コードを用いて、発振周波数と発振出力を予想したが、2次高調波発振であるためか、想定した実験条件では期待モードが単独発振せず、他のモードも同時に発振した。そのため、単独発振となる実験条件を探した。この条件では、磁場強度を変化させたときの周波数変化幅は予想より大きくなった。理論面では、Gyrotron FU CW GIAの実験結果に即した解析を行った。その他、平成25年度に行ったGyrotron FU CW GIIIの研究成果を学術論文として出版した。
2: おおむね順調に進展している
申請時の計画をほぼ達成している。
最終年度は、Gyrotron FU CW GIAに対して、さらに変更を加えた電子銃を搭載し発振実験を行い、電子銃の変更による発振効率の到達点の違いから、電子ビームクオリティと発振出力の関係を議論する。また、ジャイロBWOの発振特性(特に周波数)と電子ビームクオリティとの関係を実験・理論両面で調べる。Gyrotron FU CW GIAの結果を学術論文としてまとめ、投稿する。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (15件) (うち招待講演 1件)
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