研究課題/領域番号 |
25420344
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
佐伯 勝敏 日本大学, 理工学部, 教授 (60256807)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | デバイス / ニューロンモデル / セルラーニューラルネットワーク / ロバスト / 低容量 / 集積回路 / VDEC / 実装 |
研究実績の概要 |
1)低容量化ニューロンモデル,ロバスト性を有するニューロンモデル,容量結合型セルラーニューラルネットワークの実装 ネットワーク全体回路の実装面積を削減するために,個々のニューロンモデルの細胞体部を構成しているコンデンサ2個の容量値(それぞれ1pF)を小さくする回路構成について昨年度新たに提案し,32fFで動作することをシミュレーションにて確認した。今年度は,ロバスト性を持たせるための回路設計にも十分考慮し,モンテカルロ解析を行い,1万回の解析においても動作することを確認した。そして,実際にVDEC(大規模集積回路設計教育センター)を通し0.18μmCMOSプロセスルールを用い実装した。その結果,シミュレーションと比較し,低周波数の発振になったものの,動作することを確認した。低周波数の原因は,PADの寄生容量によるものと考えられる。 なお,容量結合型セルラーニューラルネットワークの実装は,特別のプロセスを使用する必要があり,VDECの提供するプロセスルールでは実装ができない。そのため,新たに誘導結合型セルラーニューラルネットワークの回路構成について検討を行った。 2)仮想三次元構造の学習モデルを有するセルラーニューラルネットワークの実装 申請者は先に,パルスタイミングの時間差により学習状態が変化するSTDPの非対称型の特性とメキシカンハット型の特性を,一つの回路で得ることが可能なシナプス回路を提案している。今年度は,VDECを通し0.18μmCMOSプロセスルールを用い実装した。その結果,非対称型の特性を確認した。現在,メキシカンハット型の特性を確認中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要中に挙げた以下の内容について 1)低容量化ニューロンモデル,ロバスト性を有するニューロンモデル,容量結合型セルラーニューラルネットワークの実装 2)仮想三次元構造の学習モデルを有するセルラーニューラルネットワークの実装 1)中,容量結合型はプロセスルールの影響により,他の方法を検討する必要があるが,ニューロンモデルについてはVDECを通し実装を行い,低容量化,ロバスト性を有することを集積回路にて確認を行っている。そして,2)中,学習モデルのSTDPの非対称型の特性については,VDECを通し実装を行い,集積回路にて確認を確認している。 ニューラルネットワークでの実装は現在検討中であるものの,ニューロンモデルの実装,および学習モデルの一つの特性は実装にて確認しており,平成27年度に繋げられるため。
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今後の研究の推進方策 |
1)セルラーニューラルネットワークを用いた連想記憶モデルの検証 これまでに実装したモデルを用い,記憶の保持・想起を行い,連想記憶モデルについて検証を行う。 また,平成26年度の1),2)の改良を行い,平成27年度に最終版として,チップに実装する。
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