研究実績の概要 |
本研究では,ナノCMOS 時代の微細化によるアナログ回路の精度劣化, 消費電力急増の課題を解決するため, デジタル信号処理技術とアナログ回路技術を融合した集積回路設計手法を利用し, 高精度かつ低消費電力のアナログ・デジタル混載LSI の開発を目指している. 高精度かつ低消費電力のアナログ・デジタル混載LSIでは欠かせない, アナログ・デジタル変換器(AD 変換器)回路を取り上げ,実用上の問題点である高い消費電力に焦点を合わせ, 消費電力を削減する新規技術の開発を目的としている. 研究の初年度では,提案ADC回路の全体構成と要素回路の検討,2年目では,提案構成ADCの詳細回路設計と実際のLSIチップの試作を行った.研究の最終年度では,試作ADC回路の測定と詳細の性能評価と測定結果の解析を行った.測定と解析の結果により,新たに提案回路構成では,信号のダイナミックレンジが拡大でき,従来式手法に比べ,消費電力を削減できる効果を確認できた.また,さらなるADCの性能向上に関する課題と方向性も明確にすることができ,継続研究のために,有益の情報を得る事が出来た.最終年度では,研究成果をまとめ,国内学会・国際学会の発表を行い,学術誌への論文投稿も行った(採録済み, H28/6月に掲載予定).
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